天狗湯|西荻窪民に愛される老舗銭湯|にしぞう取材レポート

西荻窪で唯一富士のペンキ絵がある銭湯と言えば「天狗湯」。
今回は天狗湯に、にしぞうと取材に行ってまいりました。

天狗湯の創業は戦後直後の昭和21年。
オーナー澤さんのお祖父様が品川区でやっていた建物から移動して、今の場所に天狗湯を開いたのが始まりです。
なんと創業79年!長い歴史を誇る、西荻窪自慢の銭湯です。

■オーナーさんで3代目となる老舗銭湯


3代目となるオーナーの澤さんも子供の頃から番台に立ったりと、天狗湯に慣れ親しんで育ったそう。
その後、高校から岡山の方へ単身移り、24歳になったとき天狗湯を継ぐために東京へ戻ってきた澤さん。
忙しい銭湯業務のわずかな休みの間に、懐かしい友達たちと流行りのディスコへ遊びに行ったりして青春を過ごしていたと言います。
「当時はガスなんてなくて、ボイラーと薪でお湯を沸かしていたんですよ。温度も目分量で調節していたし、
お昼から夜の2時くらいまでずーっとつきっきりだったから、とてもハードだった。」

それから約40年の間、銭湯一筋で天狗湯を守り続けた澤さん。
50代では浴場組合の杉並支部長も務め、七三分けにしてスーツ姿でお仕事をこなしていたといいます。
コロナ禍が来た2020年頃、ご病気を患ってしまった澤さんは支部長を退任します。
「もうスーツも着ないし、髪なんか面白くしちゃってと言ったら、金髪になった(笑)」
ということで、今のスタイルが生まれたそうです!

■改修工事などが大変な銭湯業務

銭湯経営でとても大変なのは、”中普請(なかぶしん)”と言われる内部の改修工事。
根幹となるお湯を沸かす設備から、鏡など備品の工事に至るまで、保持するための改修工事がとにかくたくさん必要となってきます。
物価高騰などでさらにお金がかかるようになっていますが、最近は東京都で燃料費補助も行われているとのこと。

天狗湯さんは3年に1回は何らかのリフォームを行い、大きなリフォームがなるべく必要のない状態にするなど工夫しているそう。
下風呂には貴重なボイラーが残っているとのことで、見せてもらいました!

■初めての人も入りやすい銭湯

外観がスタイリッシュなので気づきませんが、天狗湯の建物は築50年超。
昔は番台だったエントランスも2001年にフロント式になりました。
「昔よりもだいぶ若い子たちが来るようになったので、入りやすく中が見えるようにガラス貼りにしたんです。」と澤さん。

券売機でチケットを買うスタイルで、Pay Payも使えちゃいます。
他にも、常連さんとご新規さんが隔てなく心地よく使えるような張り紙など、澤さんの心遣いが随所に感じられます。

■小さな子供も楽しめる“ぬる湯”

近年の銭湯ブーム・サウナブームなどの後押しもあり、コロナで一時間短くなった営業時間の影響も無く、客足はどんどん伸びているそう。
GWの子供の日には、菖蒲湯のイベントに予想の3倍くらいはファミリーが来られたとのこと!
ファミリーが来るようになったのには、他にも大きな理由があるそう。

「フロントである家族が知り合いと会ったとき、”天狗湯は下の子は熱くて入れない”という会話を聞いたんです。
その瞬間に、あ、これはぬる湯をやろう!と思いました。」
38〜39度の温湯はミルク風呂で、小さなお子さんにも大人気。
幅広い世代が天狗湯を楽しめる一つのきっかけになったようです。

天狗湯の看板猫「てんちゃん」との出会い。

「ぐーちゃん」「チャコールちゃん」はこの日巡回を行っているそうで、出会えませんでした。

西荻の看板動物の座をかけて、負けられない戦い。

天狗湯オリジナルグッズもたくさん!
てぬぐいやTシャツなど使いやすくておしゃれ◎
中にはオーナーさん自ら描いたものも!

■清潔感が一番大事!

ズバリ天狗湯の推しポイントは?と聞くと、すぐさま「掃除!」と澤さん。
「特に洗い場、脱衣所。洗い場も細かいところまで磨くのを怠ると、そういうものになってしまう。清潔感が大事ですよね。」
そういったお店づくりがお客さんにも伝わるのか、モップを置いておくとお客さん自身が拭いておいたよ!とやってくれたりするそうです。

近年銭湯は閉店することも多く、その数は減ってきています。
原因としては建物や設備の老朽化、そして経営陣の高齢化。
そんななか天狗湯さんでは若いスタッフさんが入り、澤さんのこだわりや情熱が受け継がれていっているところです。
これは天狗湯が自慢の西荻民や、銭湯ファンにもとってもありがたいことです。

■最後に・・・

最近だとテレビ東京系TV番組「家、ついて行ってイイですか?」で特集となったこともあり、とっても反響があったそう!
「チェーン店が少なくて個人店が多い西荻窪の魅力です。他のお店の方と会ったり、応援し合っている感じも嬉しいです。
飲んでいるときに見つけられると恥ずかしいけど!」とおちゃめな澤オーナー。
営業後に飲み行くのも大好きで、よく西荻窪の街を楽しんでいるそうです。

銭湯の伝統を守るためにいろいろな活動をされてきた澤オーナーが、今日もザブンと入れる湯舟をご用意。
3代に渡り守られてきた西荻窪の老舗銭湯「天狗湯」に、是非足を運んでみてください。